来年の春を目途に「指月斎blog2 湖水通信」を始めるつもりだ。
「人と自然との在り方」について何か残せたらいいなと思う。と言う訳で、しばらくブログをお休みして、「湖水通信」の準備に入る。
前段階として、「深泥池」を取り上げた。
良い写真が撮れているだろうか?
また、永観堂・南禅寺の紅葉を「京の紅葉」直下にアップしたので、ご覧ください。
深泥池(みどろがいけ、みぞろがいけ)
京都市内の北部、住宅地の中に深泥池はある。
三方をケシ山、高山、西山といった標高百数十メートルほどの低山で囲まれており、池の中央に浮島がある。
池の底に泥が深く積み重なっていることから、この名がついたと言われる。池は氷河期を生き抜いた14万年の時が刻まれた湿地帯であり、貴重な生き物が今なお生息している。
深泥池の読みは「みどろがいけ」「みぞろがいけ」の二通りあり、統一されていない。京都市北区上賀茂にある「塞き止め性池沼」である。
深泥池の周囲1540m、面積9.2haの池沼で、浮島や貴重な動植物が生息することで知られている。周囲を丹波層群のチャートを主とする定高性の山で囲まれ、南西端のみが開けて低地に面している。その形態から、東から西へ流下する開析谷の出口が賀茂川の扇状地堆積物によって塞き止められて形成されたと考えられる。
本格的な湛水が始まったのは1万年前頃以降である(日本列島が大陸から切り離されたのと同じ頃)。1927年、「深泥池水生植物群落」として国の天然記念物に指定され、1988年には動物も含め「深泥池生物群集」に名称が変更された。
深泥池の南から北を望む。
圓通寺を訪ねた後、一時間ほど経過した深泥池。
上の写真よりも、やや西側を写した。
宝ヶ池は溜池とはいえ、今は京都市民の憩いの場所になっている。
池中にはハリミズゴケやオオミズゴケからなる浮島があり、ホロムイソウやミツガシワの寒冷植物、ヌマガヤ、イヌノハナゴケ、モウセンゴケなど高層湿原の構成種が見られる。特に、北方系のホロムイソウ、アカヤバネゴケ、ミズグモ、ハナダカマガリモンヒメハナアブなどは、最終氷期からの生き残り(レリック)種として学術的に重要である。
池の水質は酸性で貧栄養の状態が維持されてきているが、近年富栄養化が進行している。また、ススキの繁茂やブラックバス、ブルーギルの外来種の侵入も生態系に悪影響を与えている。4月にはミツガシワの白い花、5月には白や青のカキツバタや赤色のトキソウ、9月にはサワギキョウの青色の花が咲き競い、年中楽しませてくれる。池西側の岩倉に通じる道路の交通量が増大しており、池の埋め立て道路拡幅を行う計画がある。
<参考資料>
京都府レッドデータブック2015
雑誌「SINRA(シンラ)」2016年1月号(新潮社)
深泥池の南から北東を望む。
深泥池から近くの宝ヶ池へ。国際会館と比叡山。
この池は江戸時代に溜池として造られた。
マガモにとっても憩いの場所。
勝手に写真を撮らないで。事務所通してね。がーがー!!
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