2015年5月下旬に久しぶりに後楽園ガイドをする予定なので、次回は初夏の後楽園(後楽園八景)を掲載する。
林羅山は清水寺一帯の深山幽谷の山岳地帯を「小廬山」と名付けた。本来の「小廬山」は清水寺あたりの景色だろう。雪に隠れてコサギが餌を狙っていた。
「唐崎の一つ松」も雪吊りが施されている。琵琶湖に模した大泉水の奥に見えているのは、東京ドームと東京ドームホテル。江戸時代には同じ場所に水戸藩上屋敷が建っていた。
手前が「花菖蒲の田圃」で奥が「藤棚」。藤棚の右奥が文京シビックセンター(文京区役所)。藤棚の左奥の傾いた巨木が推定樹齢400年のカヤノキ。この年、6月の大雨で倒れてしまった。
寛永6年(1629)に神田上水(最初の江戸上水)を水戸藩邸に引き入れたことが「水戸紀年」に書かれている。この水を利用して庭園が造られた。左上の枝は倒れた巨木「カヤノキ」のものか。
東京ドームを借景とした水戸藩邸の内庭。江戸時代、招待された大名や奥方は内庭を通り、この橋(桁橋)を渡って左手の「唐門」から後楽園に入っていった。
延段を下ると琵琶湖(大泉水)に出る。正面に唐崎の一つ松が見える。右手の高い建物は中央大学校舎。借景では京都の庭園にはかなわない。京都1200年の都は歴史が違う。
雪に覆われた西行堂跡。京都まであと少しだ。
わりなしや氷る懸樋の水ゆえに 思い捨ててし春の待たるる(西行)